題として浮上してくるのである。そこで、投資家の自己責任原則が問われることになるわけだ。
郵便貯金、簡易保険資金の運用対象に、不動産担保証券が加えられる予定であるが、その条件
として、政府は運用の安全性を確保するため、証券に対して上場企業の元本保証を求めたり、証
券発行額を不動産価格の半分以下に規制する見込みである。これも、自己責任の考え方とは相容
れないものであろう。
的年の秋に、クレスベール証券の東京支店が販売したプリンストン償1000億円以上が債務
不履行となり話題となった。ご承知のとおり、プリンストン債は高利回りをセールスポイントに
幅広く販売されたものではあったが、最初からやや疑わしい面があったのも事実である。この債
券投資で損失を被った根本原因は、やはりリスク管理の甘さであろうし、元本保証の謡い文句を
そのまま受け入れたのは、日本で自己責任原則が十分に浸透していないことの現れともいえよう。
ペイオフ解禁を契機として、日本でも銀行取引で自己責任原則が求められることになる。しか
し、たとえ高リターンが期待できるにしても、流通市場の整備もこれからでリスクの高い不動産
証券への投資を、投資家が穣極的に選択するようになるまでには、ある程度の時間を要すると考
えるのが自然であろう。特にハイリスク・ハイリターンとなるエクイティ型証券や劣後証券など
への投資については、機関投資家といえども慣れるまでには時間がかかると見るべきであろう。
第2のネックは、テナントとの賃貸借契約の問題である。賃貸オフィスビルの証券化商品に投
資する場合を考えてみよう。投資家の立場からすると、投資対象ビルが将来にわたって安定的に
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収益を生み出してくれることが望ましい。そのためには、ビルにテナントが常時入居し、安定し
た賃料を支払ってくれることが必要不可欠である。したがって、一定レベルの賃料を確保できる
のであれば、テナントとの賃貸借契約は長期間であるほうがよい。
